福祉制度

うつ病で生活保護を受ける条件

うつ病で生活保護を受けるには

うつ病で生活保護を受ける条件

うつ病の方が生活保護を受ける際も、通常の方と同じです。
但し、うつ病の場合はそもそも申請に行く事が出来なかったり、
用意しておいた方が良い書類などがありますので、順番に解説していきます。

通常の生活保護の要件もまとめておりますので、先にご一読下さい。

http://zenkaren.or.jp/%e7%94%9f%e6%b4%bb%e4%bf%9d%e8%ad%b7%e3%82%92%e5%8f%97%e7%b5%a6%e3%81%99%e3%82%8b%e8%a6%81%e4%bb%b6%e3%81%a8%e3%81%af%e3%80%90%e6%9d%a1%e4%bb%b6%e7%b7%a8%e3%80%91/

 

うつ病の方申請する際にポイント

うつ病になってしまった場合、生活保護の申請をする際に注意したいのは、まず生活保護以外の給付が優先させるという事です。
生活保護の要件の中に、あらゆるものの活用という項目があります。
これは、「生活保護以外のあらゆる制度や、持っている資産も含めて活用しなさい」
といった趣旨です。

国の制度として具体的には、
・傷病手当
・労災保険
・失業保険
などが挙げられます。

http://zenkaren.or.jp/%e7%94%9f%e6%b4%bb%e4%bf%9d%e8%ad%b7%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%a9%e3%81%86%e3%82%84%e3%81%a3%e3%81%a6%e7%94%b3%e8%ab%8b%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%ae%ef%bc%9f%e3%80%90%e7%94%b3%e8%ab%8b%e6%9b%b8%e3%81%aa/

申請を行える人

申請する人については、原則、生活保護は「申請保護の原則」というのがあり
本人の申請に基づいて申請を行わなければなりません。
しかしうつ病などの病気で外に出れない時などは、
最寄りの福祉事務所、生活保護課に電話をする事により
、職員に来て貰い申請を行う事や、親族で申請を行う事も可能です。

・うつ病の際に確認されるポイントと診断書
うつ病の方が生活保護の申請を行う際に、見られるポイントとして
働けないかどうかというところです。

通常、生活保護の申請時の働く能力については、主に以下の3点から評価されます。

  • 稼働能力を有するか
  • その稼働能力を活用する意思があるか
  • 実際に稼働能力を活用する就労の場を得ることができるか否か

稼働能力を有するか→働けるかどうか

この「稼働能力を有するか」については、働けるかどうかという点なのですが
本来は申請後、年齢、性別、経歴、健康状態、家族の状況から客観的に判断されます。

ここでうつ病の場合は医師の診断の際に診断書を発行してもらう事で
就労できるか、どうかが証明しやすくなります。

必須ではありませんが、診断書を作成を医師に依頼する場合は
働けないと医師より判断されたのであれば、
「就労不可」の文言を加えて貰ってください

通常、生活保護を申請する旨を伝えておくと記入してもらえます。

うつ病患者が生活保護が打ち切られるケース

うつ病での働けない事を理由として生活保護を申請した場合、症状についての報告を定期的に求められます。
この時、場合によっては検診の命令が行われる事があります。
この検診によって打ち切られるケースがあるのでいくつか解説していきます。

生活保護決定後、医師の治療を受けていない場合

生活保護決定したその後、医師の治療を受けていない場合
病院へ行くよう命令(検診の命令)が行われます。

この命令が行われる基準としては、
働く能力があるのではないかと、疑われてるときや病状に疑いのある時なので注意が必要です。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000305401.pdf

この命令を無視した場合は、即座に生活保護の打ち切りが行われます。

検診の結果、就労可能なった場合

検診の結果、就労が可能なった場合は、就職の指導が行われます。
ほとんど場合はハローワークの協力の元行われ、職場の斡旋などがなされます。

職場が見つからない期間は、生活保護を受給できますのでご安心ください。

うつ病での生活保護が受けられないケース

生活保護の受けられる条件については、うつ病であっても同じです。
特に注意したいのが、生活保護は世帯単位でしか申請を行えない事です。
この世帯というのは、住民票や戸籍上の世帯ではなく
実態としての、一生に生活を共にしている人の事を言います。

http://zenkaren.or.jp/%e7%94%9f%e6%b4%bb%e4%bf%9d%e8%ad%b7%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e4%b8%96%e5%b8%af%e3%81%a8%e3%81%af%ef%bc%9f/

実家住まいの場合

実家住まいの場合、うつ病である自分だけが生活保護を受ける事はできません。
この場合、一緒に住んでいる家族も含めて生活保護を申請する必要があります。
まずは、家族で扶養する事が最優先となります。

彼氏・彼女と同棲している場合

彼氏・彼女と同棲している場合、収入を一緒にして家計を一緒にして生活している場合は
カップルで一世帯と判断され、カップルの収入を元に計算されます。

結婚している場合

夫婦の場合も、もちろん配偶者の収入も合わせてカウントされます。
また、配偶者の扶養義務は親・兄弟よりも強いため
配偶者で扶養する事ができないか、最も強い扶養義務が生じます。

うつ病の生活保護でもらえる金額

通院に関する費用

うつ病などで病院に定期的な通院を行う際、人混みを避けたいため電車で行くのが難しかったり、
通院の回数が多いため交通費が高くなる場合があります。
そんな時に利用できるのが、「通院移送費」となります

利用できるケース

主に以下のようなケースで「通院」の費用を請求できます。

  • 病院へ電車・バスなどで通院する場合の交通費
  • 病気や障害の状態により電車・バスを利用するのが難しい場合の交通費
  • お医者さんを自宅に呼ぶ際の交通費

従って症状のため、
電車・バスを利用するのが難しい場合であればタクシーなどを利用する事も可能です。
安心して、治療に専念する事ができます。

交通費の請求方法

交通費の領収書をしっかりととっておき
かかりつけの医師より、
「給付要否意見書(移送)」という交通費の必要性の書類を記入してもらいます。

医療費

医療費に関しても、自己負担はなく生活保護費より支給されます。
但し、うつ病などの精神病の場合は、医療扶助ではなく「精神通院医療証」という
、精神の通院に限って利用される医療証が発行されます。

障害者加算

精神病により精神障害者に認定された場合は別途、金額が加算されます。
金額は地域と障害者手帳の等級により異なります。

障害者手帳 1級 1級地(26,810円) 2級地(249,40円) 3級地(23,060円)
障害者手帳 2・3級 1級地(17,870円) 2級地(16,620円) 3級地(15,380円)

 

まとめ

今回はうつ病の方の生活保護についてまとめました。
生活保護は自立のための制度です。
焦らず治療に専念するためにも、無理せず生活保護を申請してください。

参考文献

  • 生活保護手帳2020年度(中央法規)
  • 生活保護手帳別冊問答集2020年度(中央法規)
  • 精神障害のある人と家族のための生活・医療・福祉制度のすべてQ&A第11版(萌文社)