皆様の中には、心身の不調により「適応障害」であると診断を受けてしまい、今後仕事とどう付き合っていけば良いかと悩まれている方や
仕事へのプレッシャーや、職場環境の変化によって自身の能力に自信を持てなくなったり、同僚や上司への対応などの対人面に悩みを抱えるようになり普段と違った不調によって
「もしかして自分は適応障害かも?」と悩まれている方もいらっしゃると思います。
ですから、今回は「既に適応障害と診断された方」や「もしかしたら適応障害かもしれないと悩んでいる方」に向けて
適応障害になりやすい方の特徴や症状についてと、仕事との向き合い方についてもわかりやすく解説していきたいと思います。
また、適応障害の平均休職期間や上司への伝え方は以下の記事をご覧ください。
- 適応障害の具体的な症状や対処法が知りたい
- 自身の状態が適応障害に該当するのか知りたい
- 適応障害でも仕事を続けられるか?職場に復帰できるか知りたい
- 適応障害の方との正しい接し方が知りたい
適応障害のまま仕事はできる?休むべき
まず、始めに心身の不調から自身が適応障害と診断を受けてしまった事で
「このまま仕事を続けるべきなのか?」
「一度休職する必要があるのか?」
結論から言うと、まずは専門医などを通じて自信のストレス原因(適応障害の発症要因)を明確にした上でそれらを解消できるか否かで
継続して同じ環境で働くか?休職を申し出るか?の判断を行いましょう。
症状についての詳しい解説は後述にて行いますが適応障害において、
仕事や社会生活をする上で、受けるストレスの許容量が限界を超えた時に「そのストレス原因への適応ができない事で起こる心身・行動面の様々な症状」であり
原因となるストレス要因が明確である事が特徴とされ、対処法としてそれらのストレス要因から遠ざかる事が有効とされています。
ですから、ご自身の適応障害の引き金となったストレス原因(ストレス因)が仕事にある場合は休職や部署異動も視野に入れる必要があります。
逆に、ストレス原因を即時的に解消できる場合は仕事を続けられると言えます。
また、休職を行う場合であれば専門医の元適切な認知行動療法や薬物療法に従い職場復帰を目指すようにしましょう。
適応障害とは?
適応障害( Adjustment Disorders)とは、社会生活や日常生活で受ける様々なストレス許容量がその人の限界を超えた事で仕事や日常生活の出来事や環境・人に対してうまく「適応ができない状態」となり
心身に様々な症状が現れて社会生活に支障をきたす状態をいいます。
主な症状として「抑うつ気分・不安・怒り・焦りや頭痛・不眠」など人によって様々であり、
うつ病との区別として適応障害において「発症の要因となるストレス因が必ず存在する」ことが重要な定義であり全ての人が発症する可能性のある社会生活において最も身近な精神疾患といえます。
適応障害になりやすい人はどんな人
適応障害はストレスを起因とし元来「ストレスに強い人」「ストレスに弱い人」のどちらもストレスの許容量に限界を向かえる事で、誰もが適応障害を発症する可能性がある精神疾患です。
ですが、その中でも特に適応障害になりやすいとされる人には特徴が御座いますのでそれらを一つずつ解説していきます。
完璧主義
適応障害になりやすい人の特徴として「完璧主義」な性格の方は
仕事や生活において何事も完璧に成し遂げたい、納得の行くまで止める事が出来ないといった考えから
仕事や行動一つ一つに執着を強く持ってしまいがちです。
これにより、無理をしてでも成し遂げるという性格から自分の体調や感じているストレスを軽視してしまう事から適応障害になりやすい人であると言えます。
真面目で責任感が強い
責任感が人一倍強く仕事も真面目な人も適応障害になりやすい人の代表例と言えます。
仕事や日常生活において、人一倍責任感を感じやすい事からつい過重労働をしてしまったりストレスを溜め込みやすい傾向があります。
また、主な特徴として「人を頼れない」「自分を責めてしまう」といった性格によりストレスを溜め込みやすく、ある時にその許容量を越えてしまうことで適応障害を引き起こしやすくなります。
気持ちの切り替えが苦手
嫌な出来事をいつまでも引きずってしまう。
自身の気持ちの切り替えが苦手な人は、仕事のミスをいつまでも引きずってしまったり、長時間に渡りストレス状態を維持してしまう事から「ストレスを溜め込みやすい性格」と言えます。
ストレスの発散方法がない事やストレス問題が解決しない事により当然適応障害の発症率は高くなってしまう傾向があり
適応障害になりやすい人であると言えます。
人間関係を築くのが苦手
人付き合いが苦手であったり、人との交流が苦手という人にとっては
仕事における接客や上司や同僚・部下とのコミュニケーションや関係性その物に大きなストレスを感じてしまいます。
他人の顔色や言動、視線や行動のひとつひとつに不安を覚え日々様々な場面でのストレスが蓄積し、やがて限界をむかえる事で適応障害が発症する引き金となります。
適応障害のまま仕事は続ける?辞めるべき?
適応障害の診断を受けこれから、仕事とどう向き合っていくかという面において「このまま仕事を続けるか?」「それとも辞める方がよいか?」と最終的な判断基準を知りたいと疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
結論として、「原因となっているストレスを解決できるかどうか?」を判断基準としましょう。
仮に部署異動により業務の変更、上司や同僚・部下などの配置替えによって、自身の適応障害の起因となったストレス原因を解消できるのであれば、職場復帰や仕事を続ける事も可能でしょう。
逆に、症状の悪化やストレス原因の解消が難しく
同じ職場にて仕事を継続するのが困難と感じた場合であれば、無理をせずに退職や転職を検討するようにしましょう。
【あり?なし?】復職後に元の職場に復帰できる人・できない人を徹底調査
適応障害になるとどうなる?仕事への害は?
それでは、適応障害の方がストレス要因への対策を講じずに仕事を行った場合の仕事に与える影響を適応障害な主な症状と合わせて
「精神面」「行動面」「体調面」からの3つに分ける事ができます。
具体的な影響を加味した上で、ご自身の状況と照らし合わせて見ましょう。
精神的な影響
適応障害が精神面においてもたらす影響として、主なものとして
「抑うつな気分」
「不安感や焦り」
「怒り」
「緊張」
などの、情緒面の症状が挙げられます。
これらの精神的影響によって、慢性的に気分が落ち込む事により
「仕事にやる気が出ない」「仕事や自分に自信が持てなくなった」「よく怒るように」「以前は緊張しなかった場面でも急激に緊張するようになった」など、
精神的な側面から上司や同僚などとの会話や関係性といった会社の人間関係が円滑に行えなくなる等様々な影響をもたらします。
また、憂鬱気分が持続的に続き様々な事へ興味が持てなくなるといった症状から、仕事やそれ以外の事を楽しめなくなるといった状況にも陥ります。
【ミスが増える?】行動の変化
次に適応障害の症状によって起こり得る仕事での行動面の変化として、
「ミスが増える」
「業務に消極的になる」
「欠勤や早退が増える」
「涙もろくなる」
「急に怒りやすくなる」
といった現象が適応障害の方の行動として挙げられます。
自信の喪失や不安感・焦りなどによって、注意力が欠如しそれによってこれまでしなかったようなミスを連発してしまったり
緊張により、以前に比べ仕事に消極的になる(例えば職場の電話に出なくなる・進んで行っていた業務を避けるようになる)といった行動が現れます。
また、その度合いは人により様々ですが
元は温厚な性格の人が急に暴言や暴力的な態度をとるといった言動や行動の変化も現れるようになります。
生活・体調の変化
最後に適応障害によって現れる、体調や生活面に関する影響についてとなりますが。
「不眠」
「頭痛」
「倦怠感」
「食欲不振」
「暴飲暴食」
「手の震え」
「めまい」
「汗」
「吐き気」
など、他にも様々な身体的症状を引き起こします。
これらの身体的不調が重なり悪循環となり症状が深刻化する事につながります。
例えば睡眠不足に陥る事で疲労蓄積や集中力の欠如につながり前述の行動面や体調面へと影響を及ぼすと言う結果となります。
また「睡眠」においては適応障害や精神疾患との非常に密接な関わりがあるとされ
参考文献によると、「睡眠が6時間を下回って減少すると、抑うつや適応障害のリスクが高まる」と言われており、4時間未満の睡眠が20週続くと、適応障害の発症率は80%に跳ね上がるとも言われているおり
参考書籍:もしかして、適応障害?: 会社で“壊れそう”と思ったら. (2019). (n.p.): CCCメディアハウス.
怖い!どうする?適応障害との付き合い方
適応障害は比較的治療期間が短く、比較的に重症化していない場合は
環境を変えてストレス因子が解消される事で早期に改善される事が特徴的で
症状がなくなれば半年以内に治療は終了するとも言われています。
ただし、これには症状を理解し正しい対処法を行わなければなりません。
症状に悩まされ「怖い」「これからどうしよう?」と悩まれる方に向け正しい適応障害との付き合い方について解説して参ります。
ストレスや体調不良の原因を理解する
まずは、環境調整などを行い自身のストレス因子を正確に見極めることが重要です!
とはいえ、体調不良や精神症状の原因となるストレス因子の原因は一つとは限らず「仕事の適性」や「人間関係」など複数の原因が隠れている事にも注意が必要です。
まずは環境を変えてストレスを取り除き、対処できる環境に移る事をなどを意識し自身のストレス因子を探りましょう。
どうしても原因が特定できない場合は、一度、家庭などの安心できる環境への避難も視野に入れると良いでしょう。
病院への相談・通院を行う
定期的な通院や専門医への相談などを通して精神療法を行うことは非常に重要です。
例えば、
このままの環境で仕事を続けられるのか?
業務量や時間の短縮や休職が必要か?
などは、自己判断をせず主治医などの専門家に相談する事で、適応障害の長期化の防止にもつながりますので
自身の障害を自覚し自主的に治療に取り組むといった面でも、通院や主治医への相談は行うようにしましょう。
会社に適応障害であることを伝える
適応障害と診断され主治医より休職の指示を受けた場合はもちろん
自分自身が適応障害であると言うことを会社に伝えると言うことも、対処法の一つです。
自分の状態を会社や上司に打ち明けることで、安心して治療に専念できますし異動や業務の調整などの環境調整には会社の協力は欠かせません。
ストレス因子の解消には会社の協力が必要であると言うことも重要だと理解しておきましょう。
できる仕事・できない仕事を整理する
仕事における適応障害との付き合い方を探っていくという面で
ご自身が出来る仕事と出来ない仕事を洗い出しましょう。
例えば、この業務を行う時は症状が出るがあの仕事をしてる時はこれまで通り問題なく働けているなと言うような
出来る仕事・出来ない仕事を整理する事が重要です。
また、環境の整理によるストレス原因の特定にも繋がります。
職場や部署の異動や業務量の調整も視野に入れましょう。
復職したくない!適応障害で復帰するタイミングや同じ職場で復帰できるかどうかを解説
仕事ができなくてお金が不安な人のための支援・制度
適応障害の症状により仕事が出来ない方や、休職・離職期間などいわゆるブランクが長くなってしまい仕事に対する不安を抱えている方が多くいらっしゃいます。
例えば
「自分や仕事に自信が持てなくなった」
「自分一人では就職活動を行うのが難しい」
「また、症状が悪化したらどうしよう?」
など、適応障害を経験された方にとって職場復帰や再就職への不安を抱いてしまうのも無理はありません。
ですが、生活するにもお金が必要ですし今後長期的に働くとなると現在の心身の状態では些か不安に思ってしまう方もいらっしゃる事でしょう。
そんな方には、国より認可を受けた就労系福祉サービスの利用がおすすめです。
中でも、適応障害の方であればうつ病などで長期化しない場合において
症状が改善する事で問題なく社会復帰が可能な為、一般枠での再就職に適した就労支援施設である
「就労移行支援支援事業所」がおすすめの就労系支援制度と言えるでしょう。
適応障害の方の社会復帰に適した就労移行支援事業所とは?
適応障害などの精神疾患をお持ちの方が、
一般就労などの社会復帰を目的とし利用できる福祉制度として、「就労移行支援」というサービスが御座います。
利用対象者としては、
一般就労等を希望し、知識・能力の向上、実習、職場探し等を通して、適性に合った職場への就労等が見込まれる者(18歳〜65歳までの方)
となっており、就労移行支援事業所を利用する事で
「仕事をする上でのスキルアップ」
「自分の特性を理解し適職を見つける」
「就職後の定着支援を受けられる」など
就労に関する様々なサポートを受ける事が出来ます。
さらに、体調面や精神面の安定化から、
「ビジネスマナー」
「専門技術の習得」
など自身の目的にあった様々な就労サポートが受けられますので
自分一人で社会復帰するのが不安な方は是非ご活用下さい。
適応障害で障害者手帳はもらえる?
適応障害の診断を受けたけど、適応障害で障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)はもらえるの?と思われた方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと適応障害単独の診断では障害者手帳3級の取得は難しいです。
なぜ難しいかというと、
精神障害者手帳3級の申請対象は、精神疾患の初診日から6ヶ月以上経過し、その精神疾患により日常生活に制限がかかっている方が申請の対象となります。
適応障害はICD-10およびDSM-5(精神障害の診断・統計マニュアル)などの世界的診断基準では「ストレス因やその結果がひとたび終結すると、症状は6ヵ月以上持続することはない」とされています。
適応障害は休職しストレスの原因(会社や人等)から離れることで、6ヵ月以内に回復する症状なのです。
このことから、適応障害で精神障害者手帳の申請は対象外となる場合がほとんどです。
ですが、適応障害で休職期間が6ヵ月を超えても症状が改善されない場合があります。
医師の不適切な投薬治療か、ストレス因から離れることが出来なかったケースです。
これらのケースは再度診断を受けることでうつ病などの診断を受けることで、障害者手帳を取得できる場合があります。
障害者手帳の申請や審査基準についてはこちらの記事で詳しく解説していますので
こちらの記事をご覧ください。
また、障害者手帳3級を取得すると、以下のサポートを受けることができます。
- 通信に関する割引
- 公共交通機関など各種運賃や通行料に関する割引
- 余韻に関する割引
- 住まいに関する支援
- 貸付に関する支援(生活福祉資金貸付制度)
- 税金面での控除(障害者控除)
- 障害福祉サービスを受ける事ができる
- 障害者雇用の求人に応募できる
- 障害年金を受給できる可能性がある。
障害者手帳3級のサポート内容をさらに詳しく知りたいという方は以下の記事もご覧ください。
会社でできる適応障害の方との仕事の仕方
適応障害は何も当事者だけの問題では御座いません。
会社で適応障害に苦しむ本人にどう接したらよいのか!?と戸惑う方も多くいらっしゃいます。
事実として、対応次第で改善も悪化もある為正しい知識を身に付ける必要があります。
この項では、会社で出来る適応障害の方との仕事の仕方について解説していきます。
必要以上に干渉しない
職場の適応障害の人が辛そうにしてるとつい「大丈夫?」や「何かあったの?」と声をかけてしまいがちです。
ですが、適応障害の人にとっては過度な心配や気遣いは逆に本人のストレスになってしまいます。
ですから、干渉や詮索、極端な気遣いはせずに適度な距離を保ち
本人から相談されるまで見守りの姿勢で接することを心がけましょう。
状況を聞き出して理解してあげる
次に、もし症状や相談を受けた時の注意点として
「否定せず理解してあげる」ことに注意しましょう。
具体的には、相手の話に耳を傾けて途中で割り込んだり「それは違うよ」といった否定的な発言は避けましょう。
傾聴を行う時は、「そうだね」「うんうん」と共感を示してあげる事で、本人も安心して悩みを打ち明けることが出来ます。
無理はさせない
適応障害の方にとって、ストレスの原因となる
無理なお願いや提案は避けましょう。
例えば、休職中に「そろそろ復帰できそう!?」と尋ねたり
意欲低下を危惧して、追加の仕事を立て続けに依頼したり、無理に期限を設けたりなど
無理を強いる発言や行動はせず、ゆっくり本人の意欲回復を待つ姿勢を取るようにしましょう。
会社全体で適応障害への理解を深める
適応障害は誰にでも起こり得る精神疾患である事から、会社全体での環境改善や対処法などを確立しておくといった取り組みが必要となってきます。
仮に仕事が原因で適応障害と診断された人がいた場合は、その原因が会社そのものにあるのか?
又は、部署にあるのか?どのように組織体系の改善や・環境改善を行う事が必要があるか?など体制を整えておく事や配慮を準備しておく事がとても重要です。
例えば、「社員が休みがちになった」など様子がおかしいなと感じたら
- 相談に乗る
- 産業医への相談を進める
- 業務の調整を行う
- 部署異動を検討する
- 休職を薦める
といった、何らかの対策を講じられる環境を社内で構築しておく事で重症化のリスクを減らしより良い職場環境への改善へと繋がります。
適応障害と仕事に関するよくある質問
ここまで、適応障害やその症状や特徴に加え仕事との向き合い方について触れてきましたが、その他にも様々な悩みや疑問があるかと思います。
そこで、この項では適応障害について最も多くの方が悩まれている質問について詳しく解説していきたいと思います。
適応障害でむいている仕事は?
適応障害の症状がある方や、なりやすい人に向いている仕事として以下のものが挙げられます。
事務職
会計、経理
製造業(工場レーン作業)
警備員清掃員
など、ルーティンワークの業務やノルマのない職場であれば
ストレス最小限に抑えられますし
事務職などの、報・連・相といった必要最低限のコミュニケーションだけで業務をこなせる分野もおすすめです。
・地方公務員
・倉庫作業
・ピッキング
・データ入力
など、定時で帰れる事や安定した休日や休憩がある事に加え
一日の業務量が決まっている、比較的勤務が安定した職種もおすすめで
他にも働き方として、フリーランスやテレワークといったストレスを感じにくい環境下での仕事が向いていると言えます。
適応障害は職場に言うべきですか?
適応障害の診断を受けたが、休職せずそのまま仕事を続けたいといった場合は
職場の上司や人事担当または、産業医に迷わず相談するようにしましょう。
適応障害と伝える事で「職場に居づらくなってしまうのではないか?」と考える方も少なくありませんが
隠して仕事を続ける事で、症状が悪化し長期の休職を余儀なくされる事や、最悪の場合退職せざるを得なくなってしまったというケースは非常に多いです。
ですから、職場の環境改善やストレス因の解消を行うためにも
職場へ適応障害を伝え協力を申し出る事は非常に重要と言えます。
適応障害は労災になりますか?
結論から言うと適応障害などの精神疾患も労災の対象になります。
但し、厚生労働省の定める「精神障害の労災認定要件」の基準を満たしている事が条件となります。
労災認定のための要件は以下の通りです。
精神障害の労災認定要件
① 認定 準 対象 精神障害を発病
② 認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6か月の間に、
業務による強い心理的負荷が認められること
③ 業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと
となっております。
適応障害で仕事を続ける方法はありますか?
適応障害の方が仕事を続けるには、やはり
上記でも述べた通り、適応障害の原因となったストレス因の特定と解消を優先的に行う必要があるでしょう。
具体的には、業務量の調整、配置転換などを行い症状の悪化が起こらないよう気をつけて仕事を続ける事が重要です。
また、「どうしても仕事を続けないといけない」「多少無理をしてでも仕事を続けたい」という方もいらっしゃるとは思いますが
無理をすると症状が悪化し長期の休職や退職を余儀なくされる場合もあります。
ですから、場合によっては一時的な休職も視野に入れて長期的な就労を見越した対策が必要です。
適応障害は無理をするとどうなる?
仕事を続けたいあまり無理をしてしまうと、適応障害の症状が悪化し悪循環を起こしてしまう為注意が必要です。
具体的には、次のような症状が頻繁に起こるようになります。
「不眠や体調不良が続く」
「会社に行けない日がある」
「遅刻や欠勤が増える」
「仕事に集中できずミスが増える」
「人間関係やコミュニケーションが上手くいかない」
等、症状の悪化に伴い仕事を続けて行く上で様々な障害が出始めます。
他にも、精神面から「憂鬱な気分」「不安感」「緊張」「怒り」や
涙もろくなったり、怒りっぽくなったりと社会生活そのものに問題が生じるケースも少なくありません。
適応障害は甘えですか?
適応障害は決して甘えではありません!
一般的に適応障害はうつ病の診断基準を満たない軽い病気であると見られがちです。
ですが、実際には他の精神疾患の併存や重症化はもちろん、最悪の場合自殺のリスクまである非常に深刻な心の病です。
この事から、当事者や企業側も適応障害に対する正しい知識や理解を持ち、最新の注意を払って適切な対策を講じる必要があります。
適応障害で退職できますか?
仕事を継続する事が難しいと判断した場合、もちろん適応障害で退職することは出来ます。
適応障害はストレス原因から離れることで症状が解消される特性がありますから、早期的な治療を見越した場合有効な手段の一つと言えるでしょう。
ただし、退職の申し入れのタイミングは原則2週間前にまでに申し出る事が義務付けられていますので、注意しましょう。
さらには、最終的な判断はもちろんご自身で行うことになりますが
退職するか否か?なども、一度かかりつけ医や産業医の意見を聞いてみる事も最終の判断材料となるので必要と言えるでしょう。
結果的に、ご自身が後悔しないように結論づけることを意識しましょう。
適応障害でお金はもらえる?
休職中の賃金や給付金などが支給されるケースがあります。
ただし、それには適応障害で労災認定が降りるか?会社の規定や方針は?
など、様々な複雑な要因が絡みます。
仮に労災認定であれば、「会社側が適応障害の原因は会社にある」と認める必要がありますので現実的に難しいとも言えますし
会社によっては、休職期間などの対策をしっかりと講じており相談を行う事で休職中のお金の問題に悩まなくて済むケースもあります。
どうしても、労災認定や会社との交渉が必要な場合は迷わず労災問題に強い弁護士に相談したり専用の相談窓口に相談して行うようにしましょう。
適応障害の人にかけてはいけない言葉は?
適応障害の人と接する際に、本人にかけてはいけない言葉があります。
「そんなんでこれからどうするの?」
「もっと頑張って」
「甘えだよ」
「気持ちの問題でしょ」
「大変なのはアナタだけじゃないよ」
などが挙げられます。
これらの言葉は、追い詰められている状況の
適応障害の人にとっては追い討ちになってしまいますしこれらの言葉をかけるのは絶対にやめましょう。
適応障害は完治しますか?
適応障害は完治するかどうか?ですが
結論としては、適切な治療を行うことで「短期間で症状の改善は見込めますが、再発のリスクは十分にあるので注意が必要」と言えます。
具体的には、ストレス原因が無くなる事で短期間での症状の改善が見込めるというのが、適応障害の特徴ですが
例えば、そもそもストレス耐性が低い方が同じ状況に陥れば、また同じように適応障害を再発する可能性が非常に高くなります。
ですから、ストレス原因を解消して適応障害の症状がなくなったから、完治したからと言って安心してしまうのはとても危険と言えるでしょう。
症状の治療に合わせて、自分はどうして適応障害になったのか?どのような働き方をすると、症状が起こらないかをしっかりと把握して仕事に臨むことが本当の完治と言えるのではないでしょうか?
適応障害で顔つきはおかしくなりますか?
うつ病・適応障害において、精神的な症状、身体的症状、行動面の変化に加えて
外見面の特徴として顔つきの変化が認められます。
顔つきに現れる変化としては以下の予な特徴が挙げられます。
・無表情になる
・目がうつろになる
・肌荒れ
・緊張やひきつった表情
・こわばりや歪んだ表情
と言ったものが特徴的です。
ストレス、緊張による顔の筋肉の硬直や痙攣なども起こりやすく
その他にも外見の特徴として、髪型や服装の乱れや男性ならば無精髭
女性ならばメイクなどにも現れることがあります。
適応障害と仕事に関するまとめ
それでは、適応障害と仕事に関するまとめを行なっていきます。
適応障害とは、原因となるストレス因が明確であることが特徴であり
その原因となるストレス因から遠ざかる事で短期的な症状の改善が見込まれると言われている精神疾患です。
ですから、仕事をこのまま続けるべきか?一度休職や退職、または転職などで環境そのものを変えるかなど、症状や原因によっては様々な対処を行うことが有効となります。
また、適応障害はうつ病などに比べ軽視されがちですが決して軽い精神疾患ではなく重症化する事で症状の長期化や他の精神疾患の併存は併発のリスクがあり非常に深刻な事態を引き起こします。
この事から、当事者はご自身の症状や産業医などとの相談を経て仕事との付き合い方を考えていくと同時に
誰にでも起こり得る精神疾患である事から、会社側も「適応障害への正しい理解」を深めていく必要があると言えるでしょう。
まずは、再発防止も踏まえて専門医やかかりつけ医・産業医などへの相談から、会社側との話し合いの中で症状の早期改善に向けた対処を行うことを心がけましょう。
注目 就労移行支援WithYou
精神疾患の就職支援・復職支援を行なっている就労移行支援事業所・リワーク施設。
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